事例から学ぶ特集|vol.01
- 稲場 晃美
- 3月18日
- 読了時間: 4分
大家さんが亡くなったら、アパートはどうなる?
練馬・西東京エリアのオーナーが今すぐ知っておきたいこと
― 練馬区内のご相談をもとにしたサンプル事例をご紹介します ―

ある日突然、家賃が"宙に浮く"
今回ご紹介するのは、練馬区内のアパートオーナーご家族からのご相談です。
築38年の木造アパートを持つAさん(72歳)が、昨年秋に急逝しました。残された家族が真っ先に直面したのは、葬儀でも遺産分割でもなく、
「来月の家賃、どこに振り込めばいいですか?」という入居者からの電話でした。
通帳もカードも金庫の中。管理会社との契約書がどこにあるかもわからない。
しかも、アパートはAさんと弟の2人名義で、弟は関西在住。連絡を取るだけで一週間かかりました。
西東京・練馬エリアは、昭和40〜50年代に建てられた賃貸物件が多く残るエリアです。当時の地主さんや建て主さんが、今ちょうど70〜80代を迎えています。Aさんのような状況は、決して他人事ではありません。
賃貸経営は、相続と同時に"動き続ける"
一般的な相続と、賃貸物件を持つ家の相続には、決定的な違いがあります。
銀行口座や株は、相続が終わるまで"止まって"待ってくれます。でも、アパートは違います。相続手続きが終わるまでの数ヶ月〜1年の間も、家賃は入り続け、修繕は発生し、入居者との関係は続きます。
この期間、以下のような問題が次々と起こります。
① 家賃の受け取り先が決まらない 被相続人名義の口座は凍結されます。入金先を変更するには管理会社との連絡・金融機関の手続きが必要ですが、相続人が複数いる場合、誰が代表して動くかで揉めることも。
② 急な修繕に誰も動けない 「給湯器が壊れた」「雨漏りがした」。賃貸では入居者対応を迅速に行うのが原則です(民法606条:賃貸人の修繕義務)。でも相続手続き中の家族に、その判断権限はありません。
③ 名義変更(相続登記)が法律で義務になった 令和6年(2024年)4月の法改正により、不動産を相続した方は相続を知った日から3年以内に登記の申請をしなければならなくなりました。正当な理由なく期限を過ぎると、**10万円以下の過料(行政上のペナルティ)**の対象となります。
さらに見落とされがちなのが、この義務は過去の相続にもさかのぼって適用されるという点です。すでに相続が発生しているのに登記を放置している場合、令和9年(2027年)3月31日が期限です。「お父さんが亡くなったのはもう10年前だから関係ない」——それが一番危ない思い込みです。
④ 共有名義になると、売るも貸すも全員の同意が必要 子どもが3人いれば、アパートは3分の1ずつの共有に。誰か一人が反対すれば、リフォームも売却もできなくなります。
「うちは大丈夫」が一番危ない
「子どもたちは仲がいいから揉めない」「司法書士の先生に任せているから」
——よく聞く言葉です。でも、実際に相続が始まると、多くのご家族が「こんなに複雑だと思わなかった」とおっしゃいます。
なぜなら、賃貸経営の相続は、法律・税務・不動産・人間関係の4つが同時に絡み合うから。
司法書士は登記を、税理士は申告を担当してくれます。でも「どの物件を誰が引き継ぐか」「借入が残っている場合どう分けるか」「今後の賃貸経営を続けるべきか売るべきか」——そういった経営の視点を持ちながら全体を見渡す人が、実はほとんどいないのです。
練馬・西東京エリアのアパートは、土地評価が高く、相続税の対象になるケースも少なくありません。
「揉めない」と「備えができている」は、まったく別のことです。
この事例から見えること、そして今できること
Aさんのご家族のケースで浮かび上がったのは、「賃貸経営の相続は、起きてから動いても間に合わないことがある」という現実です。
相続診断では、こんなことを確認しています。
物件の名義・登記の状況
相続人は何人いて、それぞれの意向は?
借入残高と物件評価のバランス
遺言書や任意後見の準備状況
今後の賃貸経営の方向性(継続・売却・建替え)
初回相談でしっかりヒアリングをし「何が整っていて、何が足りないか」が見える化します。今なら、まだ間に合います。
練馬・西東京・吉祥寺エリアのアパートオーナーさま、またそのご家族からのご相談を、
現在無料の相続診断でお受けしています。まずは「ちょっと聞いてみよう」という気持ちで、お気軽にどうぞ。
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つむぎ不動産相続 稲場晃美 宅地建物取引士・AFP・相続診断士アンバサダー
【参考】 本コラムは以下の公的情報をもとに作成しています。
・法務省「相続登記の申請義務化について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
・法務局「相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)」 https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000275.html
※本コラムは一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務相談については専門家にご確認ください。


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